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日頃から「サンドラを目標に・・」と言われているほど、アンディ先生からも絶大な評価を受けているサンドラは、 当然のように私達アンディスクールのフリースタイラー達の憧れの人。 私も2年前に初めてアッシュビルカンファレンスでサンドラと会う機会に恵まれ、 今は亡きペッパーとの演技を実際に見る事ができ大感銘を受けた一人です。 それ以来、苦手だった英語を学び直し、サンドラとメールのやり取りをしていたのですが、 その中で、サンドラが日本のフリースタイルやアンディ先生について高い評価をしている事も知りました。 もちろんアンディ先生にとっても、サンドラは最も尊敬すべきフリースタイラーの一人だと思います。 その、「我が師」と「我が心の師」が、夢の競演&ご対面とあっては見逃すわけにはいきません。 第三の理由としては、念願のプロスターの出場権を獲得する事ができた事です。 いつかは出てみたいと思っていたプロスターですが、喜んだのも束の間。 締め切りまで、2ヶ月足らずいう短期間でのルーティン制作を余儀なくされてしまいました。 暑さの中での練習やビデオ撮影は、私と相棒のナナ(ボーダーコリー)にとって、フリースタイルを始めて以来の 大試練となりました・・・イヤァー、本当にツラカッタ〜。 ナンダカンダのドタバタ劇のアメリカ行き準備も無事終了。 あとは、コロラドへ向けて・・・ いざ出発〜!! 二度の乗換えを含むデンバー空港までの空の旅は、約17時間。 小さな体を巧みに生かし?狭い機内でもお構いなしに睡眠をとる私の横で、 恨めしそ〜な視線を送り、 時に「歯がゆい・・・」と呟く"繊細"なアンディ先生。 特技?を最大限に生かした空の旅は、他の方に比べ、移動の体感時間は 非常に短く感じたと思います。 ・・とは云え、途中いくつかのハプニング゙もあり、ホテルに着いた頃には、皆グッタリ。 疲れきった私達を、元気良く出迎えてくれたのは、WCFOアンナ・スコルフ会長と、彼女に良く似た体型の・・・もとい、 彼女に良く似た温和でフレンドリーなラブのデニーでした。 大きな体を寄せながら、私達の体を両手で包み込み、まるでパワーを注入するかのようなハグの挨拶で、 私達はようやく緊張から解放され、元気を取り戻す事が出来ました。 アンナ会長に案内されたホテルの中は、犬連れの参加者が沢山いて、 もうすでにカンファレンス・モード。 いきなり、アメリカを実感。 こりゃぁー、明日から楽しみだ〜。 そうそう・・、アメリカを実感と言えば、もう一つ・・・、 普段は九州男児のアンディ先生が、私が通ろうとしたドアをすっと開けてくれて「お先にどうぞ」とエスコート。 こ、これは、もしや"レディーファースト?!" アメリカ万歳〜(涙)!! |
2日目の朝。 今日は、K-9ドレッサージュや、プロスターズ・コンペティション、課題曲がロッキーマウンテンを お題に行なわれるRocky Mountain Highコンペティション等、盛り沢山となっています。 ホテルの窓から外を覗くと、早朝にも係わらず、既に衣装に着替えた競技者や犬達が準備を始めていました。 今回、急な参加で犬を連れて行くことが困難だった為、ビデオエントリーになったのですが、 それでも少しドキドキしてきました。いつかは、ナナを連れて海外の競技会に参加できたら良いなと思います。 それに、今日は何と言ってもK-9ドレッサージュが行なわれる。 ジャッジのサンドラも必ず来ているはず! TEAM ANDY全員、サンドラとの再会と対面に胸を膨らませながら会場入りしました。 会場に入ると、前方には沢山のトロフィーや賞品等が陳列されていて、スタッフさん達が慌しく動き回っている。 ゼッケンを付けた方や、衣装を着たコンペティターもいて、正に競技会モード。 否が応でも緊張と興奮が高まってくる。
この競技を見るのは、私も今回が初めてです。 スクールで練習をした事がありますが、実際に行った方が見た目よりはずっと難しい。 今回の参加者も、既にフリースタイルの競技では、アドバンスクラスのベテラン揃い、 しかしドレッサージュでは悪戦苦闘している様に見えました。 フリースタイルの基本を取り入れた競技と言われていますが、このドレッサージュを完璧にこなせる様になれば、 フリースタイルにも、かなり良い効果が現れると思います。 私も早速K‐9ドレッサージュにチャレンジしたいです。 次に、プロスター・コンペティション。 もちろん、今回一番の注目は、優勝者のミシェル・ポリオ。 私は彼女に次いで2位となったのですが、残念ながら(??)・・・完敗!非常に素晴らしかった。 プロスター参加者の多くが、難易度の高い技を数多く入れる努力をしているのに対し、 ミシェルは、シンプルな技を切れのある動きと、最後まで落ちる事のない喜求性のある演技でまとめ、 終わった時には、完全に観客の心を掴む大パフォーマンスを披露しました。 私も魅せられた観客の一人として、力一杯拍手を送りましたが、 この事で彼女から新たな考え方を得る事も出来ました。 競技を重ねるうちに、次第と難易度の高い技へのこだわりが強くなり、全体的なバランスが見えなくなっていた事に、 今回のこのペアーの演技で気付かされたのです。 "魅せる"フリースタイルを、完璧にこなしたミシェルペアーから得た物は、今回の大きな収獲になりました。 表彰式後、この感動を本人に伝えたくてミシェルの元へ行き、 「素晴らしい演技に、とても感動しました」と告げたのですが、つい口が滑って 「再度、あなたにチャレンジします!!」と言ってしまいました。 すると彼女は「次の世界大会で待ってるわ」との事。は、早まった・・・?! 何故ならこのペアーは、その後行われたコンペティションのヒールワーク部門で、TM:9.7 ,AM:9,9で優勝し、 なんとミュージカル・フリースタイルでは、技術点9.9、芸術点では10.0という 驚異的なパーフェクトスコアーを3名のジャッジから記録したそうですし、独自のトレーニング理論が支持され、 世界中を飛び回っている盲導犬のベテラントレーナーだったからです。 ロッキーマウンテンハイコンペティションでは、パティ前会長が自分のエントリー曲の歌詞を配り、 観客も歌いながら演技を見るなど、楽しい雰囲気の中で行なわれました。 以前に、日本のフリースタイル競技会にも参加した事がありますが、もちろんこのようなパフォーマンスはありません。 ここでも、ユニークなアメリカを感じることが出来ました。
3日目。Whirl Titling Competition 今日は、Whirl Titling Competitionがライブのみで行なわれ、これにも沢山の方が参加していました。 この競技も又、昨日のコンペティション同様、楽しい雰囲気の中、競技者と観客が一体になって楽しんでいる様子が感じられ、 気負う事無く競技に参加できる雰囲気を、羨ましく思いました。 「あれ、あの人さっきも出てたよね?」という人も何人かいて、その度に違った衣装に身を包み登場する。 毎回変わる派手で立派な衣装は、聞くと手作りだと言う。 参加を決めた時点から、楽しんでいる事になる。 中には目を覆いたくなるような失敗をしたペアーもいたが、最後は堂々とポーズをきめ、 犬を褒めながらニコニコと退場する。 素晴らしい演技に、スポーツマンシップに、敢闘精神に、何かしら良い所を見つけては、 それに大きな拍手を送る観客の姿は、犬を育てる時のトレーナー精神そのもの・・。 「これなら、やる気になるはずだ!」 率直な感想としては、競技自体の平均的レベルは、日本の競技会の方が高いかなと思いましたが、 このような雰囲気の良い競技会が、日本に根付く事を願わずにはいられませんでした。 もうひとつの感動!
この事は、常日頃から先生に言い聞かされている事だが、当の本人がこの話を聞き、どのような反応をするか 少しばかり興味があり、多少の想像もしていたが、その反応は想像を上回るものでした。 この話を聞いたサンドラは、感極まった様子で一瞬言葉に詰まり、しばらくはその話を両手で包み込むように、 胸にしっかり抱いた後に、言葉少なにつぶやきました。 「今の話、心に響きました」・・と。 そして、その目に光るものが見えたのです。 おそらく、このうれしい話を、天国へ旅立ったペッパーにも聞かせたかったのでしょう。 その一部始終見ていた私は、感動で涙が出そうになるのを、必死にこらえるのがやっとでした。 サンドラのルーティンに巡り会ったアンディ先生、その先生に巡り会えた私。 そして今、私は心からフリースタイルを楽しんでいる。 縁と云うのは、不思議で素晴らしいものですね。 |
4,5日目。セミナー受講(少しは勉強しましたよ〜) 待ちに待った、セミナー受講日。 私たち受講生は、4組のグループに別れ、6人の講師で構成された5つのブースを回ります。 今回も、様々な国からフリースタイル界はもちろん、服従訓練や(人の)ダンス等でも 活躍している素晴らしいトレーナー達が集まりました。 まず、皆が楽しみにしていたのは、コベントリーやクラフトなどでお馴染みのイギリスのリンダ・トップリス。 リンダのフリースタイルは、DVDで何度も拝見しましたが、犬種に関係なく色んな犬種を、 どれも競技に参加できるまでにトレーニングしているという事で、アンディ先生の評価も高いトレーナーだからです。 多々、犬に助けられている私としては・・・、非常に興味が持てます。 課題は「犬の集中力を高める方法・継続する方法」という、誰もが望む非常に興味深い事から。 ・・と、そこで問題発生!! 非常に訛りの強いリンダのイギリス英語は、英語初級者の私にはワカラナ〜イ。見て学ぶしか、しょうがない。 アティラからの情報では、彼女はフジカルプロンプト・トレーニングが主体のトレーナーだと聞いていたが、 今回はクリッカートレーニングが主体のセミナーでした。 目だって感じた事は、クリックの回数が非常に多く、私達が日頃利用する回数の数倍も多く利用していた事。 その他にも、犬が好ましくない行動を起こした時は、ファイブカウントしてその場を離れる事や、 初めて見る事、再認識させられた事・・と、英語は分からずとも、みんなでアーダ、コーダと独自解釈を楽しみながら、 それなりの収穫も多々ありました。 次に、興味深いセミナーを行なったのは、アメリカのダイアン・クワルスキーという、ハスキーボイスの格好よい女性でした。 今回、このカンファレンスに参加するまでは彼女の事は知らなかったのですが、 ダイアンは、25年以上のキャリアを持つベテラントレーナー&現役で活躍しているフリスタイラーであり、 アメリカで「いま、最も旬な講師」の一人として大人気ということでした。 ダイアンのセミナーは「あなたは、車の運転が出来ますか?」の一言から始まり、 犬を車に例え、如何に犬に分かりやすい指示を出すかという本題に繋がっていきました。 実技での練習方法もゲーム感覚で出来る分かりやすいものが多く、楽しそうに行なっている参加者を横目に、 私達見学隊は、「犬がいたらいいねー」「一緒に参加したいねー」と、ただ羨ましそ〜に見るだけでした。 途中・・・行なっていた実技内容の幾つかは、「これ私達もスクールでしているよね?」と思えるような、 非常に馴染み深いものもあり、講義の内容も言葉は違うが、いつも指導を受けている事に似たものも多く、 ダイアンのセミナーが、私達にとても受け入れやすく感じられたのは、ダイアンとアンディ先生の考えが似ていたから?!でしょうか。
日本語万歳! そして、忘れてはならないのが、我らがアンディ先生! 私達のグループは、後半に受講する事になっていたのですが、私達が別のセミナーを受けている間、 アンディ先生のブースからは何度も笑い声が聞こえてきて、良い雰囲気でセミナーが進行している事が伝わってきました。 私達には、照れながら「お前達は、いつも聞いているんだから聞かなくてもいい」というアンディ先生の余裕の表情からも、 セミナーの反応が良かった事が伺えます。 しかし、折角来たのだから私達も、受けたい!!と言う事で、何故か?ブース枠の外から、セミナーの様子を写真に収めたりしながら 見学することになりました。(お金払ってるんですけど・・・) リアルタイムでうなずいたり、笑ったりする事が出来なかった今までのブースと違い、 日本語での聞きなれたアンディ先生の講義は非常に居心地がいい〜。又、通訳を通してのセミナーは、 時差?を通して受講者の反応がゆっくり伺えるので、その事もまた(気楽な)私達にとっては二重の楽しみになりました。 (先生にとっては、通常の講師の半分しか持ち時間がない事になり大変だったと思いますが・・)。 そのほか、先生のセミナーでは、とても面白い(興味深い?)計画が用意されていました。 一部にネガティブな考え方やトレーニング法を極端に嫌う方がいるというWCFO のセミナーで、 「今日の内容のほとんどは、ネガティブトレーニングです」と言ってセミナーを開始すると言う計画です。 受講者、特に "ネガティブ大嫌い"のパティ前会長が、どのような反応を示すか・・、 先生がどのように切り抜けるか・・非常に楽しみ。 そしていよいよやって来たその瞬間、私たちの想像をはるかに超えた、パティの大袈裟なリアクションを、 バッチリと押さえる事ができ大喜び、思いっきり笑えなかったのが残念でしたが、休憩中やホテルの部屋で、 何度も何度も思い出しては笑わせていただいたし、帰国してからの今も、時々話題に上がり楽しませていただいている。 その後、通訳の坂倉さんと息の合った進行で、スムーズにセミナーは続けられました。 アンディ先生の前説「あまりにも基本的な事なので、皆さん眠たくなるかもしれませんが・・・」とは裏腹に、 受講者は身を乗り出し、何度も何度も大きく頷きながら、真剣に聞き入っている様子が伺われました。 アンディ先生の言いたい事、 「基本(初歩)的な事が、最終的な事」「基本的な事が、最も大切な事」が充分に伝わっているようでした。 「ハッピーウォークが基本、そして最終目標。パートナーと共にハッピーウォークさえ出来れば、 それだけで見る人を感激させる事が可能・・・」と言う事を、実例を持って証明するために用意された TEAM-ANDYの「チーム演技」の幾つかがスクリーンに流されました。 見終わった受講者からは、これもまた予想以上の多くの拍手が送られ、セミナーは興奮のうちに終了しました。
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