さぁー 始めよう! (パラレル編)
   ケーナイン・フリースタイルは1991年カナダでスタートし、競技会が始まったのは1994年です。
  歴史が浅いので、教え方やひとつひとつの動きに付ける名称などは、その人によりまちまちです。
  ここではフリースタイル界の第一人者サンドラ・デイビスさんの使用しているコマンドや、
  動きの分類等を参考にしながら、説明していきたいと思います。
  全編を通じ、内容についての疑問点や質問がありましたら、解る範囲で答えさせて頂くか、
  内容充実の為の参考にして行きたいと思いますので、掲示板に投稿頂くか、
  直接メールにて感想をお願い致します。

 【コマンドと動き(技)の種類】
   犬に20前後の動きを教えますが、コマンドはあまり口の動きを見られなくて
  すむような言葉を選ぶ方が良いでしょう。
  但しオビディエンスに使用しているコマンドまで変える必要はありません。
  サンドラさんは下記の動き(ムーブ)を3つに分類している様です。
  まず、パラレルつまり、ハンドラーにあわせた動き、次にハンドラーの動きとは別に
  犬が違った動きをしている様に見えるサークル
  その他をフラッシームーヴ。つまり、前の2つに当てはまらない動きです。
  今から、これらの動きを3篇に分けて、紹介してみたいと思います。


 @ ヒール  (左脚側)
 A ライト  (右脚側)
 B フロント (前進)
 C バック  (後退)
 D ジー   (向かい合って右歩き)
 E ホー   (向かい合って左歩き)
 F イン   (並んで右歩き)
 G ムーヴ  (並んで左歩き)
 H サークル (体の周りを時計回り)
 I ウィー  (体の周りを反時計回り)
 J ポール  (ポールの周りを時計回り)
 K ループ  (ポールの周りを反時計回り)
 L ツイスト (お回り・スピン)
 M リッチ  (ツイストの反対周り)
 N ハイ   (立って歩く)
 O アンダー (股下くぐり)
 P オーバー (ジャンプ)
 Q キック  (お手のような動き)
 R ラット  (左手のお手)
 S プリティー(お辞儀)
これらのコマンドの中には、言葉としての意味の無いのも
あり、サンドラさん独自のサイン言葉です。
自分でアレンジなコマンドを、覚えやすい形で取り入れる
方が初心者にとっては混乱を招かず良いでしょう。

 実際当スクールでは、多くの方が左記のコマンドを
別の動きに応用したり、いくつかの動きを一つのコマンドで
表現したりしています。
又ある方は、聞き慣れないコマンドは日本語で表現し
馴染みのあるコマンドのみ英語で使用しています。

 あくまでも左記のコマンドは参考です。
かっこいいコマンドより、地道な練習の方が大事ですし、
自分の犬に耳慣れた、現在使用しているコマンドまで、
変える事はマイナス要因の方が多いと思います。

【まずは準備を・・】
   これを犬達に教えるとき、決して広いスペースは必要ありません。
  自宅のダイニングルームでも、ガレージでもできます。

   必要なものは、カラーとリード。首輪はやや上、首の後ろにつけます。
  その他に、犬の、特に後肢のコントロールのために2本のダウジングスティック。 

   ご褒美にフードを使う場合、ウェストポーチ、ポケット、首から下げるポーチ等。
  (どれも、犬が熱心にあなたの顔を見るよう正面につけます。)

   フードは結構たくさんあげるので、小さいものが望ましいでしょう。
  硬いジャーキーやビスケット等より柔らかい物が好都合です。
  私のスクールでは犬用のソーセージを小さくサイコロ状に切って使用しています。

   おもちゃがご褒美のときは、ひも付きボールのようにいつでも持っておける物や
  引っ張りっこの出来るような物が良いでしょう。


 さぁ〜レッスン

 【ヒール&ライト ・ 左・右脚側】
 
   言うまでもなく基本訓練は必ず必要ですが、フリースタイルでは必ず右脚側が必要に
  なってきます。
  右脚側をフードやひも付きボール等を使って教えてみましょう。 
  首輪の位置は腿のあたりです。犬が興奮してはねるとき等は壁を使って行い、
  時々ボールを与えたりしながら、出来るようになったら大き目の円周上を歩かせたりしながら
  徐々に円を小さくしていくなどの工夫をして完成させていって下さい。

  【フロント&バック ・ 向かい合って前後進】

   フロントは犬を前面に置き軽く呼び寄せる様にしながら自分自身がバックします。
  比較的簡単に教える事が出来ますが、後肢がぶれるようなら両手を広げたりしながら
  調整したり、ダウジングスティックを使うのも良いでしょう。

   バックは、首輪の両側にそれぞれの親指を入れ、自分の右足を犬の両前脚の間に入れます。
  一歩ごとに、バックと言いながら、親指をかけた首輪を押しながら、自分のかかとで押していきます。
  多くの場合、犬は何を要求されているかわからないので、座ろうとします、自分の足を犬の体の下に
  入れるのはそのためです。できるようになったらフロント、バックとつなげて練習します。

   ダウジングスティックを使用する場合は、まず最初にスティックで犬の体を触って慣れさせます。
  その後スティックを使って犬の腰を動かす練習をします。
  あくまで、スティックで触って刺激して動かすのであり、叩いたりしてはいけません。
  出来るようになったら、スティックを短めに持ったり脇にはさんだりして、不要にしていきます。    
See Photo?


  【ジー&ホー ・ 向かい合って左右歩き】

   フロント・バックが出来るようになったら、ジー、とホー(向かい合って、右、左に移動)を教えます。
  リードとスティックを持ち、リードを右に引きながら(断続的な軽いショックでも可)、
  左のスティックで後肢を押します。
  出来るようになったら、スティックを脇にはさみ、腕をスティック代わりに使ってやって見ましょう。

  【イン&ムーブ ・ 並んで左右歩き】

   まず、右手でリードを短く持ち(犬が逃げようとしないよう)、犬の頭を自分の大腿部付近に置き、
  左手のスティックで、インといいながら犬の後肢を押し大腿部を中心にしてて回らせます。
  これは犬にとっては大きな動きで、
それが出来るようになってから横動きに変えます。
  動きは少なくなりますが、人の体を支えに使わない分難しくなります。
  次は、ムーヴを教えます。自分の両足を広げて立ち、左足は犬の前、右足は後ろで、
  左手でスティックを持ちます。
  これは、犬の後肢がどうしても外にふくらむためスティックで抑える必要があるからです。
See Photo?

これら8つの動きをサンドラさんは(パラレル)と称した一つのカテゴリーにまとめている様です。
 つまりハンドラーに合わせた動きの事で基本的な動きですが、大変重要な要素を持った動きです。
 
時間をかけて正確に教えないと、後で教えるトリッキーな動きを生かせない結果になる事もあります。

  ここまで来れば音楽を選び、充分にヒールワーク・ツー・ミュージックが楽しめるはずです。
 又観衆を魅了する事の出来るダンスも披露する事が出来る筈です。

                                  −Andy-
 ターゲットスティックは専用のものでなくても
 周りを見渡せば利用できるいろんなものがあります。
 アンディスクールで使用している
 ダウジングスティックです。
 細めの園芸用ポールを使用しています。
 この他、長さも様々、用途に合わせ・・。

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