音楽と振付等について
 ある程度、構想がまとまってきてからの音楽選びは、大変楽しい作業ですが、
それだけに、頭を悩ます作業の一つでもあります。
何故なら、貴方には大好きなジャンルや曲があるのに、必ずしもそれが貴方の探して
いるものとは一致しないからです。
大切な事は、現時点でのハンドラーとパートナーの実力を、最大限に引き立たせなければ
いけないと言うことです。
実際、当スクールのフリースタイラー達も、これが一番の悩みでもある様です。
 【曲選びと編集】
 1) 何度聴いても飽きない曲を選びますが、ここで大切なのは、自分の好みというより、
   犬にあった音楽(イメージ・リズム等)を選びましょう。

 2) 見ている人が、より強く興味を持ってくれるような、誰もが知っている曲を選びましょう。

 3) コスチュ−ム選びが楽になるような、テーマのハッキリした曲を選びましょう。

 4) 音楽著作権法なども考慮して下さい。(特に海外の競技に参加する時などは…)

 5) カットする時は、出きるだけ最初と最後は残しておく方が良いでしょう。
   最近ではほとんどの方がインターネットなどを利用していますので、ネット上の無料音楽編集ソフトを
   利用すると良いでしょう。

 6) 編集後のテープは三本位はコピーして持っていて下さい。
  (本番用・練習用・車の中やお炊事などをしながら聞く為のイメ−ジトレーニング用)

  
この他に、カットしやすいなども、考慮の中に入れておいたほうが良いと思います。
 何故なら曲の編集は大変な作業ですし、カット次第でイメージの変わってしまう曲もあります。
 
  その他にも、コンペティションに参加する場合は、チャレンジする科目により、
  曲の長さに規定があり、規定に合った長さに編集する必要があります。
  (約2分〜3分位で細かく分かれています)
ポータブルカセットプレーヤー等も
準備品の中に入れて・・
 【振付の注意】

 1) まず、最初と最後のイメージを考え、間に入れる動きを考えて埋めていく様にしましょう。

 2)どのメロディにどの動きがぴったりか、自分の動きとして考え、次に犬とセットの動きを考えましょう。
   ビデオに撮って、のちにパートナーと一緒でも、スムーズに動けるかを、チェックすると良いでしょう。

 3)技と技の間に、比較的簡単な動きを入れて、動きがスムーズにつながるような配慮をしましょう。
   技の連続は失敗もしやすく、一つの技を観客にアピールするのに適切とは言えません。
   むしろ、つなぎに簡単なヒールウォ−ク(ヒールワークではなく)などを入れて、次の技への観客の
   期待度を高める事のほうが、少ない技で効果的な演出が出来ると思います。

 4)とにかく最初は、短い曲と簡単なルーティンで構成したダンスを完成させましょう。
   1曲出来あがれば、次々と色んなアイデアが浮かんでくるはずです。

 5)プロのダンスコーチに、基本的なステップを教わるのがベターなのでしょうが、
   仲間に見て頂いて、評価を受けるのも良いでしょう。

 6)もし貴方達ペア−に、沢山の技があったとしても、欲張らず曲にあった技以外は、次の為に残しておきましょう。

 7)リングへの登場の方法は色々ですが、全体を使えるような動きの配分をしましょう。
  コンペティションにおいては、通常で75%以上、ジュニアや小型犬の場合で、50%以上を使用する規定になっています。
 【コスチュームや小道具について】
  コスチュームについては、ここで特別に述べる必要はありませんが、
 ケーナイン・フリースタイルの場合は、自分一人で楽しむ分を除いては、
 他のドッグスポーツと同じように・・と言う訳にはいかないでしょう。
 何故なら、観衆に“音楽とダンスのテーマ”を伝える為の、重要な役割を果たしますし、
 コンペティションにおいては、評価・採点にも大きな影響を与えるのですから・・。

  犬に衣装を付ける場合は、動きやすい事が重要ですが、バンダナや犬用の特別に
 作った蝶ネクタイ(首飾り)位で充分でしょう。
 場合によっては、足飾りなどをつける事もあります。

  小道具として、ステッキ・マフラー(ショール)・帽子・椅子等、
 色々なものを使用する場合がありますが、いずれの場合も、音楽やダンスに
 解釈を与える物でなければなりません。
 ただ単に、犬のモチベーションを高めたり、誘導に使うような事は禁止です。
 【練習の注意】
  初めのうちは、声府と指府の両方を使いますが、あまりにも見えすぎたハンドサインなどは避けて下さい。
 どうしても、ハンドサインの補助が必要な場合は、全編を通じ曲のイメージに合うように、
 ハンドサインに、ひとつのイメージを付けましょう。
 例えば軽快な曲には、歯切れの良い(?)ハンドサイン、シリアスな曲には流れるようなハンドサイン等というように・・。

  自分より低い位置のパートナーとダンスをすると、どうしても下ばかりを向いた姿勢が多くなります。
 その為に、いつも背中を丸くして練習をしている方を見かけますが、膝を上手に使い、背中の曲がらぬような姿勢を
 常日頃より心がけて練習してください。もちろん意味のある背中の表現(ボディランゲージ)なら構いません。

  ほぼ振付が終わったら、犬無しで練習し、パートナーに要らぬ負担を掛けない様にして下さい。
 何故なら貴方のパートナーは、貴方のダンスのまずさに、文句ひとつ言わず最後まで付き合ってくれるからです。

  音楽を流しながらの練習中に、犬がとんでもない間違いをする事がありますが、
 そんな時は、音楽に合わせて先に進まないようにしましょう。
 音楽の流れにはお構いなくその場で訂正したり、犬が気が付くまで、ハンドサインやコマンドを掛けて続けて下さい。
 うやむやにしてしまうと、本番中、その個所にくると、再び同じ間違いを繰り返す事になります。

  どうしても音楽が流れると、ハイになったり、落ち込んだりする場合は、イヤホーンを付けての練習に切り替え
 繰り返し練習をして、演技の安定に努めてください。
 もちろん、何故そうなるのかを、自問する事もお忘れなく・・・。
 


 
 私は、ダンスの経験など全くありません。
 これからも人前でダンスをする事など、全く考えてもいません。
 しかし、素晴らしいダンスを見れば感激しますし、そうでないものを見せられるとガッカリします。
 どのようなエンターテイメントであろうと、観客の一人としての評価は出来ます。
 だから、生徒さんにアドバイスをする時は、ハンドラーとそのパートナーの力を、
 他の誰よりも理解できるトレーナーとしてだけでなく、観客の一人として、見たままの評価をします。

  貴方のそばに、適切な助言をしてくださるプロの方がいなければ、
 少しくらいは、辛口の評価をしてくれる、お友達を作って下さい。
 
そして、そんなお友達の期待に、応えられるよう努力をするならば、
 いつも、甘口の評価ばかりしてくれる方よりは、キット貴方の良い理解者になってくれるはずです。


  もし貴方が、人前でダンスを披露する機会が訪れたなら、堂々とした態度で演技して下さい。
 恥ずかしそうに踊るフリースタイラーを、見る羽目になった観客は、目のやり場に困るものです。

          それでは、成功をお祈り致します。
                                                 

                                                −Andy-
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